袴田事件
袴田 巖(はかまだ いわお)
1966年、味噌工場で一家4人が殺害。従業員の袴田巖が逮捕され死刑判決を受けたが、58年を経て2024年に無罪確定。裁判所は証拠捏造を認定。
タイムライン
清水市の味噌製造会社専務宅で一家4人が殺害・放火される
弁護士の立会いなく連日長時間の取調べ
強盗殺人・放火の罪で静岡地検が起訴
事件から約1年2ヶ月後、味噌タンク内から血液付着の5点の衣類が発見
静岡地裁が死刑判決を言い渡す
東京高裁が控訴を棄却
最高裁第一小法廷が上告を棄却。死刑が確定
弁護団が静岡地裁に再審請求を申し立て
請求から13年を経て静岡地裁が棄却
棄却決定に対し東京高裁に即時抗告
東京高裁が即時抗告を棄却。地裁棄却から10年
最高裁が特別抗告を棄却。第1次再審請求は27年で完全に終了
姉・袴田ひで子を中心に静岡地裁に第2次再審請求
静岡地裁が再審開始を決定。死刑・拘置の執行を停止。47年7ヶ月ぶりに釈放
静岡地検が再審開始決定を不服として東京高裁に即時抗告
東京高裁が再審開始決定を取り消す。ただし袴田氏の釈放は維持
弁護団が東京高裁決定を不服として最高裁に特別抗告
最高裁第三小法廷が東京高裁決定を取り消し、東京高裁に差し戻す
東京高裁が再審開始を認め、検察官の即時抗告を棄却
検察が特別抗告を断念。2014年の再審開始決定から9年で確定
静岡地裁で再審公判が開始。袴田氏は出廷免除、姉ひで子が補佐人として出席
計15回の審理を経て結審。検察は死刑を求刑
静岡地裁が無罪判決を言い渡す
畝本直美検事総長が上訴権放棄を表明。無罪判決が確定
畝本直美検事総長が控訴断念にあたり談話を発表。「判決には到底承服できず控訴すべき内容」「ねつ造と断じたことには強い不満」と表明
津田隆好静岡県警本部長が袴田巖氏に直接謝罪
静岡地裁が刑事補償法に基づき、47年7ヶ月の身体拘束に対して約2億1700万円の交付を決定
畝本直美検事総長の談話が袴田氏の名誉を傷つけたとして、国に損害賠償を求める訴訟が提起されたとの報道あり
弁護団が国と静岡県を相手に約6億円の国家賠償請求訴訟を静岡地裁に提起
参考文献
元裁判官が冤罪発生のメカニズムを構造的に分析。複数の著名事件に言及しており、冤罪問題を俯瞰するための基本書。
袴田事件で死刑判決を書いた裁判官・熊本典道の苦悩と後年の告白を描いたノンフィクション。
袴田巖と姉・ひで子の日常を記録した映像作品。長期拘禁が人間に与える影響を伝える。
冤罪被害者たちのその後の人生と、再審制度の課題を描く。
元裁判官の弁護士が冤罪の原因・予防・救済を体系化した基本書。法律・心理学の両面から冤罪メカニズムを分析。