冤罪マップ

今西事件

今西 貴大(いまにし たかひろ)

冤罪無罪確定IPJ国民救援会SBS検証プロジェクト

2017年12月14日、大阪市東淀川区の自宅で、今西貴大さんの2歳4か月の養女が突然倒れて心肺停止となり、7日後に死亡した。最後に一緒にいた今西さんがAHT(虐待による頭部外傷)を疑われ、2018年11月に大阪府警に殺人容疑で逮捕された。後に傷害致死罪で起訴され、さらに強制わいせつ致傷・傷害で追起訴された。

裁判では、死因が揺さぶりなどの暴行によるものか病死かが争われた。2021年3月、大阪地裁の裁判員裁判は「強い外力がなければ生じない」として懲役12年の実刑を言い渡した(傷害罪のみ無罪)。

控訴審の審理は3年以上に及び、その間も勾留が続いた。約5年半の拘置所生活が終わったのは、二審判決の直前となる2024年7月の保釈だった。保釈後も常時GPSで行動を把握され、いつ・どこで・誰と会ったかを記録して報告することが求められた。偶然道で知人とすれ違ったときも報告が必要で、支援者が集まる会合に直接参加することもできなかった。

2024年11月28日、大阪高裁(石川恭司裁判長)は「虐待を示す事情は認められない」として全罪について逆転無罪を言い渡した。控訴審では新たに8人の医師が証言している。しかし大阪高検は同年12月12日に上告し、身分は被告人のままだった。それからおよそ1年3か月後の2026年3月3日、最高裁第三小法廷(沖野眞巳裁判長)が上告を棄却し、無罪が確定した。

確定の知らせは主任弁護人からの電話で届いた。今西さんは「7年以上もの間、置かれてきた被告人という立場からようやく解放されました」と述べ、保釈中の生活を振り返って「法律って全く目に見えないものじゃないですか。それに心ががんじがらめにされていて、いろんなことが制限されてたんだなって思います。本当に『見えない手錠』ってあるんですよ」と語っている。

無罪確定後、今西さんは自分の事件に似ているとして、同じくSBS/AHTをめぐり「身に覚えのない虐待」を疑われて起訴された40代男性の裁判に通い続けている。支援にはイノセンス・プロジェクト・ジャパン、日本国民救援会、SBS検証プロジェクトが関わった。

逮捕年
2018
解決年
2026
期間
8年
確定判決
一審懲役12年→控訴審逆転無罪→最高裁確定
都道府県
大阪府
地域
近畿
捜査機関
大阪府警
時代
現代
刑事手続き進行度
捜査
逮捕
起訴
一審
✓
控訴審
上告審
確定
服役
再審
逮捕起訴一審有罪→ 控訴審逆転無罪
通過有罪等無罪等進行中

2017年12月14日、大阪市東淀川区の自宅で、今西貴大さんの2歳4か月の養女が突然倒れて心肺停止となり、7日後に死亡した。最後に一緒にいた今西さんがAHT(虐待による頭部外傷)を疑われ、2018年11月に大阪府警に殺人容疑で逮捕された。後に傷害致死罪で起訴され、さらに強制わいせつ致傷・傷害で追起訴された。 裁判では、死因が揺さぶりなどの暴行によるものか病死かが争われた。2021年3月、大阪地裁の裁判員裁判は「強い外力がなければ生じない」として懲役12年の実刑を言い渡した(傷害罪のみ無罪)。 控訴審の審理は3年以上に及び、その間も勾留が続いた。約5年半の拘置所生活が終わったのは、二審判決の直前となる2024年7月の保釈だった。保釈後も常時GPSで行動を把握され、いつ・どこで・誰と会ったかを記録して報告することが求められた。偶然道で知人とすれ違ったときも報告が必要で、支援者が集まる会合に直接参加することもできなかった。 2024年11月28日、大阪高裁(石川恭司裁判長)は「虐待を示す事情は認められない」として全罪について逆転無罪を言い渡した。控訴審では新たに8人の医師が証言している。しかし大阪高検は同年12月12日に上告し、身分は被告人のままだった。それからおよそ1年3か月後の2026年3月3日、最高裁第三小法廷(沖野眞巳裁判長)が上告を棄却し、無罪が確定した。 確定の知らせは主任弁護人からの電話で届いた。今西さんは「7年以上もの間、置かれてきた被告人という立場からようやく解放されました」と述べ、保釈中の生活を振り返って「法律って全く目に見えないものじゃないですか。それに心ががんじがらめにされていて、いろんなことが制限されてたんだなって思います。本当に『見えない手錠』ってあるんですよ」と語っている。 無罪確定後、今西さんは自分の事件に似ているとして、同じくSBS/AHTをめぐり「身に覚えのない虐待」を疑われて起訴された40代男性の裁判に通い続けている。支援にはイノセンス・プロジェクト・ジャパン、日本国民救援会、SBS検証プロジェクトが関わった。

事件発生
2017年
被告人
今西 貴大(いまにし たかひろ)
判決
一審懲役12年→控訴審逆転無罪→最高裁確定
現在のステータス
無罪確定
冤罪の原因
鑑定の問題、客観的証拠の欠如、人質司法

タイムライン

事件不利有利手続事後
2017.12事件発生

12月14日、大阪市東淀川区で2歳4ヶ月の養女が心肺停止で救急搬送。7日後に死亡

CT画像で頭蓋内出血が確認されたが、身体外表に外力の痕跡なし。心筋炎の痕跡あり
2018.11今西貴大 逮捕

11月、大阪府警が殺人容疑で逮捕。後に傷害致死罪で起訴。さらに強制わいせつ致傷・傷害で追起訴

一貫して否認。逮捕後は一度保釈されたが再逮捕され、以降5年半の勾留
2021.03一審 懲役12年(裁判員裁判)

3月、大阪地裁の裁判員裁判が懲役12年。傷害罪のみ無罪

検察は「交通事故と同等の外力」と主張。弁護側は心臓疾患による突然死を主張。医師13人が証言
2024.07保釈(5年半ぶり)

7月、監督者制度により保釈。勾留期間は約5年半で、二審判決の直前だった。保釈後も常時GPSで行動を把握され、いつ・どこで・誰と会ったかを記録して報告することが求められ、支援者の会合に直接参加することもできなかった。

2024.11控訴審 逆転全面無罪

11月28日、大阪高裁(石川恭司裁判長)が全罪について逆転無罪。追加8人の医師が証言

「布団上への投げ付け等で交通事故と同等の外力」は「健全な常識に照らしても相当に疑問」と判示
2024.12検察が上告

12月12日、大阪高検が最高裁に上告

2026.03最高裁 上告棄却・無罪確定

3月3日、最高裁第三小法廷が上告を棄却。無罪確定

今西さんは弁護士を目指すと表明

参考リンク

支援団体IPJ— IPJ
支援団体国民救援会— 国民救援会
支援団体主なケース(今西事件)— SBS検証プロジェクト
支援団体今西貴大さんの無罪確定!ー検察官上告棄却— SBS検証プロジェクト
支援団体【今西事件】無罪確定へ!!!— イノセンス・プロジェクト・ジャパン

参考文献

冤罪白書 2023 Vol.5
冤罪白書 2023 Vol.5
『冤罪白書』編集委員会 (2023) — 書籍

袴田事件の再審開始決定と日野町事件を巻頭特集。鶴見事件・福井女子中学生殺人事件・今西事件・菊池事件・講談社元社員事件・弘前大学教授夫人殺し事件なども収録。燦燈出版。

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冤罪白書 2025 Vol.7
冤罪白書 2025 Vol.7
『冤罪白書』編集委員会 (2025) — 書籍

白鳥決定50年を巻頭特集。福井女子中学生殺人事件の再審無罪判決、狭山事件・今西事件・神戸質店事件・姫路郵便局強盗事件・松橋事件国賠訴訟なども収録。燦燈出版。

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揺さぶられる正義映画
上田大輔(監督/関西テレビ) (2025)

揺さぶられっ子症候群(SBS)による冤罪問題を8年にわたり追った関西テレビ記者・上田大輔のドキュメンタリー映画。弁護士資格を持つ記者が、虐待をなくす正義と冤罪をなくす正義の衝突を描く。IPJ支援の今西事件が大きく取り上げられている。

公式サイト ↗

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